【読書ログ】『償い』矢口敦子


読み始めは思ったように進まなかったですが、半分くらいで急に面白くなり始めて読む手が止まらなかったです。


あらすじ
医師の日高は子供の病死、妻の自殺で絶望し、ホームレスとなる。彼が徘徊する街で、弱者を狙った連続殺人事件が発生。日高はある刑事から依頼を受けて、事件を探っていく。やがて彼はかつて自分が命を救った15歳の少年が犯人と思い始めるが…。心に悲しみと絶望を負った2人は、「罪」を償えるのか。

私の評価→★★★★☆

感想

書評を見ると「つまらない」「共感しにくい」との意見もありましたが、私は気に入りました。本屋であらすじを読んで、「医者だった人が妻子の死をキッカケに、どういう経緯でホームレスになったの?」と興味が湧き購入しました。

★4つの理由は、後味よく話が終わりを迎えますが、少年のその後が描かれていなかったのが残念だったからです。

印象に残った言葉


「人の肉体を殺したら罰せられるけど、人の心を殺しても罰せられないんだとしたら、あまりに不公平」

これは薬丸岳さんの本にも同じようなセリフがありました。心を傷つけたら罰する法律があったとしたら、誰も人の痛みが分からなくなりますよね。誰かに傷つけられ、傷つけて人間は学んで、痛みを知っていくんだと思います。もちろん意図的に、相手を嫌な気持ちをさせるために傷つけるのは、誰であっても許されることではないです。

「法律に反しなくても、罪を犯す場合がある」
「国が認めていても、罪だという場合がある。戦争で敵を殺すこと。死刑執行ボタンを押すこと。医者が治療で患者の手足を切ること。」

なるほど。そういう考え方もあるんだな。
そう考えると、人間は何かしらの罪を犯していることになりますね。法律で裁かれないとしても、本人が罪の意識を感じたらそれはもう「罪」になるのかもしれない。この小説でも、日高と少年は「罪」の意識を持って生きている。法律で裁かれないから、その罪にどう「償い」をしていかなきゃいけないのか考えて苦しんでいる。この小説のタイトルは、そういう意味でつけられたのかなと思います。

最終的に2人の「償い」はとても前向きなで、未来への希望があったように思います。人生、人には見えない悩みや苦労を抱えているもの。


考えされるテーマの小説は、大好きです。もっと掘り下げていく練習はしないといけませんが…(・_・;)

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