「教育なんか必要ない」
親のそんな言葉を真に受け、私は学校をサボり続けた。
教育がないことで自分の可能性が狭まる。たくさん選択肢があるはずの仕事、人間関係や環境など。必要なくなればあっさり切り捨てられるのは、学がない人間から。
(良いものを)選ぶ側ではなく、いつも(悪いことに)選ばれる側。
私は分数や割引の計算ができないのに、接客業をした。語彙力や知識不足で、人と衝突することも多かった。
環境や人間関係は生まれ持ったものではなく、教育で決まる。全部自分で変えられたのに、率先して苦行していたとわかって悔しくなった。
私の思う「教育」は、自分でより良く生きる力を育てるためのものだ。
「人と比べて」ではなく、昨日の自分より少しできることが増えた、そして人と環境が良くなったとか。
納得いかないことへの不満を少なくするために、いろんな方向から物事を見る目を養う。自分が楽しいと思って向上できる趣味を持つ。
自分を幸せにするのは、自分だけ。
物事を知ることで、「不満」が「理解」に変わった瞬間がある。
カナダに来たばかりの頃、日本からの荷物が手元に届くまで2ヶ月かかることに苛立った。でも旦那さんにカナダの国土の広さや関税の仕組みを教えてもらった。その時初めて、働くひとたちの姿、適正な審査を受けて無事に荷物が届く様子が想像できたのだ。
教育は不満を減らす。そうすると、心に余裕が出るんだな。想像力、言葉を選んで発することは教育から得られるのだと思う。
現代のSNSでは、偏った意見や自分好みの話題がオススメされることが多い。それ自体は楽しいことだけど、新聞や本、年代や文化の違う人に触れて、いろんな考えを持つ・知ることも大事。
たかが「そんなこと」だけど、意外に難しいと思う。なぜならSNSでいい大人たちが炎上したり、目に見えるわかりやすい数字に飛びついたりしているからだ。
もっと怖いのは、自分も知らないうちに犯罪に片足を突っ込んでるかもしれないことだ。
旦那さんに出会っていなかったら売春、虐待や貧困のニュースに私の名前が載ったかもしれない。
教育を受けることは、人生の選択肢を広げるために欠かせない。
教育だけでなく、心根もまた、人間関係や環境を変えていく鍵になる。
私の思う心根とは正直でいること、誠実であること、親切であること、よく笑うことだ。そうすると手助けしてくれる人が必ず現れる。その手を信頼できるかを見極めるのも大事になってくる。
あなたにとって、「より良く生きる力」とは何ですか?
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