今年2月、京都の漢字ミュージアムに行ってきた。
感想は、漢字の海に溺れて最高!
体験しながら遊べる、楽しいミュージアムだった。レビューと言葉について考えたこと。
※写真と熱量多めなので、目次から興味のあるところへ飛んでください。
漢字大好き!
「漢字だらけのミュージアムなんて、楽しいに決まってる」と即決。ただ、八坂神社の近くだし、混んでたらしんどいかも…と少し心配だった。
でも2月の平日で、思いがけずゆっくり静かに楽しめたのが嬉しかった。
基本情報
開館時間
休館日
所要時間
サーッと見て回るなら2時間かからないと思う。再入館可能。私と旦那さんは、ゆっくり見て回ったから12時〜16時まで滞在。
料金
大人:800円
大学生・高校生:500円
中学生・小学生:300円
未就学児と障害のある方:無料
※当日は入館チケット提示で再入館可能
年齢層の印象
お年寄り、学生、外国人の団体さんが多かった。
ウェブサイト
館内レポ:楽しく漢字に浸る
館内は2階建てで、展示は「見て、触れて楽しむ」ことができる。
1階:漢字の歴史を学ぶ
壁一面に漢字の成り立ちや歴史 |
コインで削ると占いの結果が… |
体験シートを使った「甲骨文字占い」や、「万葉仮名」で自分の名前をスタンプするコーナーも。学ぶだけでなく、手を動かす楽しさもある。
2階:遊びながら漢字に触れる
漢字クイズやかるた、検定問題に挑戦できるコーナー。
四字熟語で遊べるゲームなど、参加型の展示が中心だ。
漢検問題、準1級は難しくて2級に変えた |
そのほか、方言に関する展示や、期間限定の特別展示もある。また、約5,000冊の辞書や歴史書、漢字にまつわる本が並ぶ図書エリアもあり、じっくり腰を据えて漢字と向き合うこともできる。
立派な図書エリア |
印象に残った展示や体験
文字の歴史に思いを馳せた
日本は中国から取り入れた文字にアレンジを加えた。
そして、
漢字を「はぶく」ことからカタカナが生まれた。
漢字を「くずす」ことからひらがなが生まれた。
手書きの『枕草子』は初めて見た。でも全く、読めない。日本語といえど、1,000年以上経てば外国語のようだ。
夢中になった体験コーナー
体験シートの甲骨文字占いや万葉仮名スタンプから、遊び心がたっぷりのエリアまで、どれも楽しかった。
漢字5万字の柱では、自分の名前を探してみたり、ゲームや漢検問題に挑戦したり。魚の漢字クイズは難しかったけれど、旦那さんはあっさり正解していて悔しかった。
名物の湯呑みフォトスポットでは、私たちの背が高すぎて画面からはみ出してしまった。それもいい思い出。
色と言葉の世界で立ち止まる
色と漢字も関係がある。日常で使う慣用句の由来を紹介。日本の色の名前や色彩の勉強もしたいな。
心に響いた「贈りたい漢字」たち
「あなたに贈りたい漢字コンテスト」の受賞作を飾ってあるエリアが良かった。
漢字一文字から、ものや人への想いが詰まった作文が読める。手書きからいろんな人の思いが伝わってきて泣きそうになった。
漢字一文字に込める意味は、人によって違うんだな。
その他
出口には、漢字ミュージアムや漢検、京都の観光パンフレットがずらり。旅の記念に、いろいろ持ち帰ってきた。
感想:文字は、プレゼントだ
ひらがなとカタカナを最初に生み出した人の発想に驚く。なくなった文字、形を変えた言葉もあると思う。でも、1,000年以上たった今も使い続けていることのありがたみを感じた。
特に私のように、話すより書く方が気持ちを表現しやすい人間にとって、文字はなくてはならないもの。もし文字がなければ、私はもっと引っ込み思案になっていたかも。
展示を見ていて、「言葉は人が育ててきたもの」だと改めて思った。
辞典は10世紀にはすでに存在していた。言葉を生み出したからには、それを伝えるための道しるべが必要だったのだろう。
やがて、文字は偉い人のものだけでなく、武士や庶民に広まり、寺子屋の登場で読み書きが身近なものになっていく。
新聞や雑誌が出版されるようになり、明治には誰もが文字を学べる仕組みが整えられた。
昭和の終わりには「書く」から「打つ」へと移り変わり、今では誰でもいつでも言葉を発信できる時代になった。
だけどその分、言葉が雑に使われ、思考が浅くなることも増えている。そんなとき、思い出すのが旦那さんの口ぐせだ。
「言葉をサボったらアカンよ」
たった一言だけど、その意味が深く染み込んできた。何千年もかけて、多くの人が言葉を磨き、紡ぎ、つないできた。それはただのツールではなく、誰かの思いを届けるための、大切な手段。
言葉は、プレゼントだ。
ちゃんと選んで、包んで、渡す相手のことを考えて届ける。ひどい言葉や文句も、そのまま投げつけずに、ひと手間かけて毒抜きをすれば、届くかたちになる。
ナマのままでは伝わらないことも、言葉を選ぶことで変わる。
漢字ミュージアムを歩きながら、そんな当たり前のことに、しみじみと気づかされた。
ちょっと期待はずれ
![]() |
漢字の栞、マグネット、箸置きは気になった。 |
もっと漢字ミュージアム限定グッズがあるかと思ったけれど、意外と少ない。私が勝手に期待しすぎていたのかもしれない。
結局、限定ファイルだけを購入。
カフェが穴場スポット?
店内は広く、窓も大きくて開放感たっぷり。しかも空いている。
私は抹茶ケーキ、旦那さんはコーヒー。ケーキは驚くほど小さかったけれど、味はとても良かった。正直、もっと食べたかった。
ちなみに、カフェはミュージアムに入らなくても利用OK。
季節によるかもしれないけれど、観光の合間に静かに休める穴場スポット。おいしいものをちょっとだけ味わいたいときにもおすすめ。
まとめ
祇園祭の鉾(ほこ)レプリカも飾られている。高さは約7メートル。 |
さいごに一言。
言葉をサボったらアカン。
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