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一時帰国の時、京都の地下鉄・北大路駅を利用する。
切符をなくして駅員さんに助けてもらい、駅直結イオンのミスドとサイゼには、旦那さん家族とよく行く。
すっかり、馴染みが深くなった。
この駅が私にとって特別になったのは、ある冬の夜のこと。
私は、友達と遊んで帰りが遅くなった。
北大路駅に向かう電車に揺られながら、帰り道のことを考えた。駅を出ると街灯が少なく、人通りもほとんどない。
旦那さんと彼のお父さんのグループLINEを開く。
「迎えに来てほしい」と連絡をした。
私は昔から、「迎えに来て」と言うのが苦手だ。怒られると思ってしまうのだ。
子供の頃、放課後に迎えの電話をしたら、親に「今忙しい!いつ行けるかわからん。」と怒鳴られた。
暗くなる校庭で一人座っていると、風の音さえ大きく感じて心細かったのを覚えている。やっと迎えが来ても、親は謝るどころか「お前のせいで予定が狂った」と舌打ちする始末。
手元のスマホがブブッと震えた。旦那さんからLINE。
「俺とおとんも今から居酒屋出る。迎えに行くわな。」
旦那さんはいつも、私より先に着いて待っていてくれる。それでも反射的に、「ちゃんと来てくれるかな」と不安になる。
北大路駅に電車が到着。扉が開いて、一緒に何人かが降りる。
遠くの改札に目をやる。旦那さんとお父さんの姿を見つけた。
2人は改札の方をキョロキョロしていた。
「待ってくれてる人がいるんだ」と嬉しくなった。
私は前を歩く人の影に隠れてしまい、歩幅を緩める。2人の姿をもう少し見ていたかったのだ。
でも前の人は、あっという間に改札を出た。
旦那さんと私は視線が合い、彼は軽く手を挙げる。お父さんも私を見つけて微笑んだ。お酒を飲んだのか、頬がピンク色になっていた。改札を出て、2人のもとへ走った。
「おかえり」
2人のその声を聞いて、私は「ただいま」と返した。
「おかえり」って、相手を大切に思う言葉。あなたが無事に帰ってきてよかった。そういう風に聞こえる。
北大路駅に馴染みが出て、ふと思う。
駅はただ電車が通過するだけでなく、人の思い出がたまっていく場所でもあるのかな、と。
かつて感じた寂しい記憶さえ、この駅では温かい思い出に上書きされる。
子供の頃の私に声をかけたい。
「もう安心していいよ」
鼻の奥がツンとしたのは、寒さのせいじゃなかったのかも。
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