「英語力がなくても何とかなる」のは留学の一部だけ

2025/01/08

エッセイ


留学した人の中には、『英語力がなくても何とかなる』と言う。

それは、限られた期間の留学だから言えるんだと思う。

私もカナダに留学して間もない頃は、日本人の多い街にいた。値段は高いけど日本の食品や生活用品は、気軽に手に入った。

日本食レストランが多く、母語が毎日聞こえ、シェアハウスも日本人ばかり。

「英語できなくても何とかなる」と思ったし、何も困らなかった。

今思うと、「何とかなった」んじゃない。優しい人たちが「何とかしてくれた」。

日本人が多いといえど、病院、買い物、銀行、家の契約などは英語だ。

私に代わって旦那さんが色々手続きをしてくれた。

それらの経験を忘れて、「英語力がなくても何とかなる」と言うのは軽率だ。

私は永住権を取ったけど、これも旦那さんのおかげ。彼は日本語と同じように、英語が話せる。手に職もあり、カナダの大学も出た。

自分の意志を淀みなく相手に伝え、理解してもらうには、やっぱり言葉が必要だと感じる。

もちろん、言葉が「すべて」とは思わない。態度と表情で示して、言葉以上に伝わる経験もたくさんある。

私は旦那さんとカナダでずっと、暮らしていくつもりだ。せめて、日本語でできることを、英語でもできるようになりたい。

言葉で困らなければ、人とのコミュニケーションがより楽しくなりそう。挑戦したいことにも躊躇が減るかもしれない。

そして長く住むなら言語の前に、カナダの「当たり前」を知ることが大事。

歴史、文化、人種や背景を知る必要がある。いくら言語が堪能でも、それらを学ばないと馴染めない。それが、別の国で生きること。

日本の常識で、日本とカナダを比べていては生活が不満だらけになる。

本当の意味で『何とかなる』とは、誰かの親切に甘えるだけではなく、自分自身で環境に馴染もうとする努力だ。

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