いい奴になりたい。人として大事なことを考える

2025/11/13

エッセイ

論語には、「仁・義・礼・智・信」という五常がある。

仁は思いやり、義は正しさ、礼は礼儀、智は判断力、信は信頼。

私の中では、これらをひとことで言えば「いい奴になれ」だ。アニメ『モブサイコ100』の霊幻の言葉と同じ。シンプルだけど真理をついている。

礼儀は、その中でも特に人間関係の要になる。

どれだけ偉くても、お金や肩書きがあっても、礼儀がない人と一緒にいたいとは思えない。 

持っているものが無くなれば、人付き合いも一気に変わる。

そう考えると、やっぱり人間性って大事だ。

私は、子どもの頃に親から暴力的な言葉を受けた。見て見ぬふりをする大人もたくさんいた。 

でも、そんな中で助けてくれた人もいた。 親から逃げる力を貸してくれた旦那さん、役所の人や警察官。 

カナダでは、言葉が通じなくても優しくしてくれる人が多い。 家族じゃないのに、家族みたいに接してくれる人もいる。

嫌なことも、良いことも、どちらも見てきたからこそ思う。

「いい奴になりたい」と。

自分がしてもらって嬉しかったことは、今でも胸が温かくなる。

人にされて嫌だったことは、今でも胸が痛む。 誰かにとってもそうなら、できるだけ良いことを返したい。

社会は、人と人の関わり合いでできている。

見知らぬ人に挨拶をする、優しくする、礼儀正しくいる。そんな基本的なことが、案外いちばん大事。

それに加えて、「できないことはできない」とハッキリ伝えるのも礼儀のひとつだと思う。

都合の「いい奴」にならないために、誠実でいる勇気を持ちたい。

それに、大人が見た目や立場で、態度を変えるほどダサいものはない。人は見ていないようで見ているし、印象は静かに伝わっていく。

とはいえ、自分がいい奴かどうかなんて、自分では分からない。

長い時間をかけて、人との関係を積み重ねていけないものだと思う。

だけどそうやって得た人間性はきっと、人からも長く信頼されるようになるのかもしれない。

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