『対岸の家事』感想:主婦・主夫も、働くママも、みんなすごい!

2025/08/27

読書

この本を読んで思ったのは、家庭で家事や育児を担う人たちの大変さは、見えにくいけど本当にすごい。

子供がいない専業主婦の私も、少し負い目から解放された気がする。

簡単なあらすじ

画像:Amazonから引用
主人公の詩穂は、専業主婦になりたくてなったはずなのに、自分の選択は正しかったのかと悩む。

彼女の周りにはワンオペ育児のワーママ、子供がなかなかできない医者の妻、育休を取ったパパ友がいる。

誰にも頼れない彼らに、詩穂は優しく寄り添いながら、自分自身や家庭の在り方についても気づいていく。

作品の特徴

主人公の詩穂目線からお話が始まり、彼女の周りの人の目線からも物語が進む。

いろんな立場の人の考え、立場と気持ちが描かれるため、感情移入しやすい。

個人的メモ

  • kindle unlimitedで読んだ
  • 2時間ほどで読了
  • 読後は雨上がりのように爽やか

分断ではなく支え合い

画像:unsplash
「対岸の火事」は、自分には関係ないという意味だ。でもこの物語は、「対岸の家事」にこそ光をあてている。

育児や家事をめぐる立場の違い。働くママ、専業主婦、育休パパ。誰もがそれぞれに悩み、誰にも頼れずに追い詰められている。だからこそ、分断ではなく支え合いが必要だと気づかされる。

詩穂のおっとりした優しさに周囲が救われ、彼女自身もまた人に助けられている。

そして、物語の中で印象的なのが、紫陽花の存在だ。

「あなたもいつか紫陽花を探してみてね」

という詩穂のお母さんの言葉が、心に残った。花を見る、探すのは心の余裕がないとできない。

切羽詰まったときこそ、ゆっくり立ち止まったり、きれいなものを見たり、希望を探してね。そう語りかけられているように感じた。

物語の始まりから終わりまで、紫陽花はずっとそばに咲いている。登場人物たちの心の変化や、少しずつ芽生える思いやりと重なるように。

自分の仕事に誇りを持つ

主婦は昔も今も軽んじられてきた。けれど家事や育児を担う人がいなければ家庭も社会も回らない。働く人も、家庭を支える人も、互いの役割があってはじめて生活が成り立つ。

私は子供のいない専業主婦だ。旦那さんに感謝してもらっても、「働いていない」ことを負い目に感じてしまう。

この本を読んで、主婦の仕事に一番誇りを持てていないのは私自身だと思った。

でも家事やサポートは、小さなことでも達成感につながる。アイロンがけやキッチン掃除、疲れた旦那さんへのコーヒーやマッサージ。そうした積み重ねにやりがいを感じている。

役割は違っても、私たちは対等に生活を支え合っているのだと思う。だからこそ、この物語を読んで強く思った。

主婦・主夫だって、働くママや育休パパだって、みんなすごい。

それぞれが大変なことを抱えている。その努力や存在を否定してはいけない。

自分の選んだ役割に負い目を感じるのではなく、誇りを持っていい。社会も家庭も、みんなで回している。

だから、「対岸の家事」は決して無関係じゃない。そこには助けを求める人がいて、私ができることを少しずつしていけばいいと思った。

心に残った言葉

「いつか笑って話せるから。あなたの寂しかった日々が、誰かの役に立つ日が来るから」

「ゆっくりやれば大丈夫。いつかできるようになる」

「自分のことで精一杯になってる人って勝手」

さいご

私も詩穂のように、ひとつのことしかできない。何かをできるようになるまで、時間がかかる。

でも、自分でなりたくてなった主婦。私は大事な人を支える重要な仕事をしているのだ。

旦那さんからの「ありがとう」を、これからはもっと胸を張って受け取ろうと思う。

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好きなもの❤編み物、スターデューバレー、あつ森、モブサイコ100、古典、旦那さん、美味しいもの

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