児童書だけど、大人の私にも響くものがあった。本を読みながら、「心の中の黒い感情」とどう向き合うかを考えた。私が感じたことを書き留めておきたい。
簡単なあらすじ
個人的メモ
- 児童書向けなので、難しい言葉もなくて読みやすい
- 子供の頃に読んだ絵本のタイトルも出てきて、懐かしい気持ちになる
- いわた書店の選書
誰の心にもいる「かいじゅう」
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| 画像:AIのGeminiで作成 |
かおりたちの呼び方をマネるなら、私の中にいるのは「虫」だ。強い嫉妬を感じたときに、モゾモゾと動き出す。
嫉妬に支配されたときの気持ちと、虫を見たときの嫌悪感はよく似ている。
見たくないし、いなくなってほしい。でも虫が完全に消えれば人間も生きられないように、黒い感情も生きていく上で消し去れない存在だ。
最近、その虫は暴れなくなってきた。旦那さんや周囲の人の優しさに触れることで、少しずつ手懐けられるようになってきたように思う。虫が騒ぐ前に人に話したり、文章にしたりして、コントロールする。
特に印象に残ったのは、作中で語られる次の言葉だ。
「自分の気持ちをすっきりさせるためじゃなく、相手の子に謝るためだけに、謝るんだよ」
私は親からひどいことをされたし、友達に心ない言葉を投げたこともある。傷つけた人たちに謝りたいと思ったこともあるけれど、自己満足なのでは、と考える。
もし親に謝られたとしても、私はモヤモヤすると思う。謝るより、関わらないでいてほしい。せっかく心の中の「虫」が静まっているのに、また引きずり出されたくないからだ。
謝ることが大事な時もあるけれど、誰もがそれを望むわけではない。謝る側のすっきり感と、受け取る側の気持ちは別物だ。この物語を通して、「謝る」とは何かを考えている。
心に残った言葉
「呪いはほとんど、自分で自分にかけちゃうものなんだな。だから、呪いを解くには自分ががんばるしかないんだ。」
「自分でがんばることは大事だけど、近くの人がどうにかしてくれることもある。」
さいご
子ども向けのやさしい言葉で書かれていながら、大人の心にもずしんと響く。
「かいじゅう」を消そうとするのではなく、どう飼いならしていくか。その過程に、人との関わりや愛情が欠かせないことを教えてくれる一冊だった。



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