「人間関係は、お花を育てるのと一緒。」
私が人間関係に悩んでいたとき、旦那さんはそう教えてくれた。
「ゆっくり時間と手間暇をかけな、どんな花が咲くかはわからんよ。育てていくうちに、土が弱いとか、日光が足らんとか、水をやりすぎとか、そもそも育てている種が悪いとか…いろいろ出てくる。根気強くやって、キレイな花が咲く。」
旦那さんの言葉で、自分の横を通り過ぎて行った人を思い出す。
家族は、私の心の芽を踏み潰した。彼らは花が咲くのをひたすら阻止した。
恋人は、根が腐ったり、咲いてもすぐに枯れたりした。
友人は、私が良かれと思って与えた水や養分が、相手の根を張る力を奪ってしまったように思う。
どの花も私が無理やり咲かせようとしていた。自分のことしか考えてなかったのかもしれない。
旦那さんと出会った頃の私は、日陰でヘナヘナ。もう花が咲くことはないと思っていた。
でも彼は、私に添え木をし、水と肥料を与え、日の光をたくさん浴びせてくれた。
大事にされることに慣れていなかった私は、彼の優しさを突っぱねたり、試したりもした。
それでも「君は大丈夫」と、彼が諦めずにいてくれたおかげで、私の心のお花は咲いた。
10年かかったが、今はちゃんと根を張りつつ、太陽の方を向けば大丈夫だと知っている。自分で自分の心に栄養を与える方法もわかった。
今は、旦那さんと「夫婦」の花を育てている。
水をやる日も、日光を当てる日もない時だってある。どちらかが少し元気がない時もある。それでも、片方が手を伸ばせば、もう片方が支えてくれる。
私がムッとしても、彼はまず私の話を遮らずに最後まで聞き、「そっか、そういう気持ちになったんやね」と静かに頷いてくれる。
私は学がない。でも彼は、難しいニュースを身近な例で解説してくれるおかげで、私も少しずつ教養が身についている。
友情も同じだ。全部をさらけ出すのではなく、言わなくていいことや言わなければいけないことを見極める。
会った回数、友達年数、秘密を打ち明けあった数で関係を推し量るのはやめた。離れていても心のつながりがあるか、信頼できるかを大事にしている。
つくづく思う。人との関係は「お花を育てる」ことなんだ。
どちらかが放置すれば花は育たない。でも、お互いが少しずつ気にかけ、思いを言葉にしていけば、しっかり根を張る。
そうしてできた関係は、長く続いていくんじゃないだろうか。
私は、誰よりもキレイな花を咲かせたいわけではない。大事な人と一緒に育てるプロセスを楽しみたい。
小さな約束も破らない安心感と、飾らない自分でいられる関係性が築けるなら、それは私にとってキレイなお花といえる。
現代は、マッチングアプリやSNSで出会いが多いけど、別れも早い。芽が出る前に多くの人が通り過ぎていく。
人間関係にコスパを求める人もいるけれど、私はこんな時代だからこそ、あえてゆっくり育みたい。
「苦労して育てたお花は、それがどんな花をつけても、すごい綺麗に思えるもんやよ。」
旦那さんの言葉が頭をよぎる。
ゆっくり、丁寧に、真摯に向き合って、相手を知っていきたい。
| 旦那さんが育てている植物も、順調に伸びている。 私はなぜか植物に近づくと枯らしてしまうので、遠くから成長を見守っている。 |
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