まず試してから判断したい。「日本産」への執着を手放す

2025/07/16

エッセイ

何でもまず調べて、試してみる。無理かどうかはその後で決める。(危険があるものは別)。

私がカナダで暮らす中で、しみじみ思うことだ。

「日本産」への執着を手放し、色んなものを試せるようになるまでの話。

なぜ国産がいいの?


日本は米不足なのに、「国産じゃないと嫌だ」と言うニュースを見た。

理解できる。瑞穂の国と呼ばれているのだから美味しいし、国産は安心感があるよね。

でも「それしか無理」って、本当に他の選択肢を調べて試した?国産じゃないといけない明確な理由と根拠は?

かつての自分を思い出す

カナダに来たばかりの頃、私は「日本のものじゃないと嫌」と言っていた。

明確な理由は、ない。

1本700円くらいの醤油や高い生活用品を買っていたから、お金もすぐ無くなった。

変化のきっかけは、お米

旦那さんが料理を始めてから、いろいろ試すようになった。

「無理」が「美味しい」になる瞬間を何度も体験した。

まず、変わったのはお米への意識。普段は日本米に近いうるち米を使っていて、日本食との相性もいい。

うるち米
ある日、旦那さんが作ったジャスミン米のチャーハンを食べた。パラパラで、香ばしくて、中華料理屋の味だった。

以来、中華やエスニック系のときはジャスミン米、日本食のときはうるち米と、使い分けるようになった。

ジャスミン米。このパンダブランドは、どれも美味しい
旦那さんの工夫で、昔は無理だったセロリも食べられるようになった。炒めものやスープにうまく混ぜてくれて、今ではトマトやきゅうりと合わせて生でもいける。

試して良かった代用品

アジアンスーパーは遠く、治安があまりよくない場所にある。車がないから、行くだけでも一苦労だ。

そして彼は、どこのスーパーでも買える代用品を調べて試し始めた。

中国の醤油を試そうと提案してきた。成分が似ているものなら、味はさほど変わらないそうだ。お値段はキッコーマンの半額。

無理だったら戻せばいい、くらいの気持ちで試した。

実際に煮物などを作ってもらったけど、日本の醤油と思うほど。うどんのつゆにも使っているけれど、文句なしに美味しい。

みりんの代わりには、ワイン。糖度とアルコール度数がみりんよりも高い。

お肉が柔らかくジューシーで、風味も良い。私はもう、ワインで作る料理が好みだ。

日本製品を買うよりも手に入りやすいし、美味しい。おかげで、私は食の楽しみが広がり、「試すこと」に抵抗がなくなった。

試してないのに、日本が一番って言える?

「日本のものじゃないと無理」。

ただの思い込みで、調べて試すのが面倒なだけだった。

それに、他のものを試してないのに、日本のものが良いなんて分からない。

新しいことに挑戦するのは怖い。でもそれによって、他の美味しいものを知らないなんてもったいない。

我が家で“定番化”した食材たち

カナダのマヨ

いろんなサラダ、サンドイッチに合う。ただし、Miracle Whipは無理。酸っぱすぎる。

はちみつ

砂糖の代わり。万能。料理もお菓子もいける。

レモン

万能。手作りポン酢が美味しい。チーズケーキに入れると爽やか。風邪の時の薬代わり。掃除アイテムにもなる。

やっぱりこれだけは、外せない

なんでも試すから、“本当に必要なもの”の見極めもできるようになった。実際に、日本のものじゃないとダメなものもある。

乾燥わかめ

代用不可。

キューピーマヨ

ツナマヨおにぎりやマカロニサラダのときは、やっぱりこれでないと、あの味は出ない。

他の料理ではカナダのマヨと併用して使うので、日本のマヨの使用量はグンと減った。

ペン

書き味が全然違う。書くのが好きな私は、妥協できない。

Jet Streamを愛用

出汁

日本食を作ろうと思うと出汁は必須。これは日本一時帰国のときにまとめ買い。

さいご

調べて、試して、無理ならやめたらいい。文句を言ったらいい。やらずに避けるより、ずっと健全。

危ないこと以外は、興味を持ったらこれからもまず試したい。

食卓を通して、思い込みがほどけていくのが面白い。旦那さんの料理の腕がメキメキ上がっている今、毎日の晩ごはんが楽しみで仕方ない。

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好きなもの❤編み物、スターデューバレー、あつ森、モブサイコ100、古典、旦那さん、美味しいもの

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